窓フィルムの全面貼り
窓フィルムの切売りを買って、自分で貼ればコストは約3分の1ですみます。
貼り方は、フィルムの厚さによって多少異なりますが、基本的には全て同じです。
ここでは、フィルム総厚200ミクロン(弊社GS175)を中心に全面貼りの手順を詳述します。
薄いフィルム(省エネ・飛散防止フィルムは約60ミクロン厚)は、水抜きは比較的容易ですが、フィルム同士がくっつきやすい難しさがあります。
総厚400ミクロンクラスの厚い防犯フィルム(GS375)の全面貼りは、オススメできません。 フィルムが厚く、特殊な施工用具と経験が無いと確実な水抜き作業が出来きません。水抜きが不十分だと本来の接着力が得られずに防犯効果が望めません。高価なフィルムを無駄にしてしまう事になります。
全面貼り プロの施工内容
プロ施工の特徴は
- 正しいフィルム選定
- 正確なフィルムのカット
- 貼付時の 確実な水抜き
- 迅速な作業
400ミクロンクラスの厚い防犯フィルム以外でしたら、仕上がりを気にしなければ、何とか ご自分でも可能です。ただし、練習を含めてたっぷり時間を見ておいた方が良いでしょう。自分で貼るには・・・
- カット済みフィルムを使用(おすすめ)
- 水抜きが上手くできなければ1~2時間で水玉がでます。
この水玉は、施工後すぐになら比較的簡単に抜けます。
水玉さえ抜いてしまえば、かなり綺麗に貼ることが出来ます。
写真はプロ用です。
この内、カット済みフィルムを購入して貼る場合は
- 採寸用メジャー
- ガラス洗浄用ゴムヘラ(トンボ)
- ガラス洗浄用スクレーパー(こびりつきの除去に便利)
- キッチンペーパー(水のふき取り用)
- 養生テープ(市販)又はタオルなど
- スプレー
- 洗浄液(中性洗剤でもOK)
- 施工液 (当社でお付けしたもの)
- スキージー 通称 ”青ヘラ”
- セロテープ(リリースフィルムをはがすときに使用)
プロ用施工ツール
全てご家庭にあるか、ホームセンター等で買えるものです。
また、弊社で簡易施工キット(写真右)を用意いております。
(50~350ミクロン厚の防犯・防災・省エネフィルム用です)
キット内容:
- 施工液ミニ
- 青スキージーP
- スプレーヘッド
- 防犯シール2枚
すぐ貼れキット(簡易施工キット)ご使用の際、他に用意するもの(市販されています)
- ガラス洗浄用ゴムヘラ(トンボ)
- ガラス洗浄用スクレーパー(こびりつきの除去に便利)
- キッチンペーパー(水のふき取り用)
- 養生テープ(市販)又はタオルなど
- 洗浄液(中性洗剤でもOK)
- セロテープ(リリースフィルムをはがすときに使用)
- 空ペットボトル500mL
簡易施工キット
※初回のご注文で5,500円以上お買い上げの場合、フィルムの貼付に必要な道具をセットにした「すぐ貼れキット」(カードスキージー(ヘラ)・専用施工液・スプレーヘッド)を無料でお付けいたします。5,500円未満・2回目以降の場合は660円(税込み)にて別売りとなります。
ガラスとフィルム間のすべりと、圧着に適した専用液です。プロ用948cc入りボトルがあります(弊社で販売)。
数枚程度の貼付には、施工液ミニが便利です。
施工液は、非イオン界面活性剤を、水に少量添加したもので、施工上必要な適度なすべりをもたせるためのものです。接着反応は、水と、フィルムの感圧接着剤間で行われ、界面活性剤は関係ありません。
施工液ミニ 3.0mL
500mLの水に半量注入
(1000mLには全量注入)
施工液の代替
施工液は、水500mLに対し、台所用中性洗剤を2mL程度添加したもので代用できます。
洗剤が多すぎると、すべり過ぎて圧着ができなかったり、白濁することがあります。
逆に少なすぎると、滑りが悪く、フィルム位置の微調整ができません。
夏場は、溶液分の蒸発が速いため、界面活性剤(中性洗剤)量を若干増やします。
中性洗剤の中にはフィルムの接着層に影響を与える成分を含む製品があるようです。大面積の施工には極力専用施工液をお使い下さい。
まず、対象ガラス寸法を正確に測定します
サッシは、ゆがんでいることがあり、必ずしも正確な長方形ではありません。
縦・横各2箇所づつ測り、差異ある場合は小さい方を正とします。フィルムは大きすぎると貼れません。
フィルムの周囲は約2mmづつあけます。水抜きのために必要です。
従ってフィルム寸法は、ガラス面寸法の4mmマイナスが基準となります。
周囲2mmづつの隙間は、実際にフィルムを貼って見ると殆ど気になりません。
カット済みフィルムを入手したら、実際にガラス面にあてて、サイズを確認します。
大きすぎる場合は、マジックインキで線を引き、ハサミでカットしてください。
カッターを使用してカットするのは道具とノウハウが必要です。
写真は専用の内寸メジャーですが
通常のメジャーでも充分です
ロールからのフィルム切り出しの仕方です。
(カット済みフィルムをご購入の方は、 飛ばしてガラスの洗浄からお読みください)
切るだけなら簡単ですが、切り口をキレイ・正確に切るには、用具 とノウハウが必要です。 コツはたっぷり時間をとって落ち着いて作業することです。刃物を使うので安全第一はもちろんですが、寸法間違いで高価なフィルムを無駄にしないように 、カットする前に再度寸法を確認しましょう。
用意するもの
- フィルム(ロール)
- カッター又は鋏
- 巻尺
- 直定規
- マスキングテープ
(使用残ロールを止めるのに便利、セロテープはノリが残りますので使用不可) - 幅広ゴムバンド2個
使用後のロールをしっかり締めておくのに便利です
フィルムの取り出し位置
展開面と、高さを合わせます。
高さが合わないと、トンネルが出来ることがあります。(特に175μ・375μ)
厚手のフィルムは、まっすぐに広げるだけでも、トンネルが出やすいものです。ご留意ください。
曲げ・捩れ・小径捲き厳禁です。
セパレーターが剥がれ、トンネル状の空洞が発生することがあります。トンネルが発生しても、接着剤が乾燥しないように、施工前日にカットすることをお勧めします。
カット作業
175μ以上のフィルムの原反の端部5~10mmは
使用しないでください
- 巻尺2本
- 直定規
- 直角定規
- はさみ(175μ以上のフィルム)
- カッター(100μフィルムまで)及びカットマット(右)の替わりになるもの
上記で粗取り又は大き目のフィルムを使用する場合
- マジックインキ(細)で、線を書く
- 線にそってはさみできる
ハサミは刃の先端少し前でとめ、鋏を進ませてきります。
次の道具を使用すると、正確にカットすることが出来ます。
- 直角定規
- スティール直定規
(裏にゴムを貼って滑り止め) - カッター
- 重し(ズレ防止)
最終カットには、プロは丸刃を使用します
(切り口が綺麗)
怪我に要注意!
カットバーを使用
フィルム貼付の良否は、ガラスの洗浄次第です。
空気中にほこりが舞わない環境にします。
部屋の掃除は前日に完了。エアコンも止めます。
たばこは厳禁、衣服もほこりや毛がでないものにします。動物の毛にも注意してください。
ガラスの下部に水が垂れても良いように、布などで、養生をします。
洗浄液:
洗浄液と清浄用のゴムヘラを使って、ガラス面をきれいにします。洗浄液は、プロ用もありますが、水1リットル当たり、中性洗剤を2~3滴加えたもので代用できます。
汚れがひどい場合は、洗剤の量を増やします、但しこの場合は、洗浄作業終了後、キレイな水又は施工液で、この洗浄液を洗い流してください。
洗浄液で汚れないように、周囲を養生します。
養生テープ(市販)が便利ですが、
ペーパータオルでも大丈夫です。
こびりつきなどがある場合は、スクレーパーを使用します。ガラス面に傷がついていると、フィルムの欠陥と混同しやすいのでご留意ください。
ガラスの洗浄・水の拭き取りには、キッチンペーパーの使用をお勧めします。
(タオル等は、繊維が付着残留する恐れがあります。)
ここがポイント:
フィルム施工液をスプレーし、ゴムヘラで上から下へと綺麗に仕上げます
これを怠ると、界面活性剤量が多い洗浄液が残留し、フィルム施工の際に滑りすぎになってしまいます。
ガラスに、こびりつきがある場合は、スクレーパー(プロ用:弊社で販売)が便利です。
スクレイパー
ホームセンターでも「ガラスに使えるスクレイパー」と聞いていただければこれに近い物が手に入ると思います。
※大型の刃物です。作業中に刃を出したまま置いておくと、知らずに触れて思わぬ怪我をすることがあります。こまめに刃を格納する様心がけて下さい。お子様がいらっしゃる場合は特にご注意下さい。
ゴムヘラ(スキージー)
ホームセンターなどで販売
されています。
フィルムに触る前に、水で指先を濡らします。乾いた指で糊面に触ると指紋がつきます。静電気の発生を防ぐため、衣服にも軽くスプレーしてください。
リリースフィルムを剥がしはじめ、直ちに施工液を糊面にかけていきます。静電気による空気中のダストを吸着を防ぐためにも、このスプレーは重要です。
ガラス面に施工液(洗浄液ではありません)をスプレーして、水浸しにします。リリースフィルムを剥がしにくい場合は、フィルムのコーナー部の両側に、セロテープを少しづらして貼りつけ、セロテープを開くようにすると簡単に剥がれます。ノリがついている厚い方が本体フィルムです。
リリースフィルムは直ちに捨ててください。
(踏みつけると滑って怪我をする場合があります)
貼る直前に、ガラス面に再度施工液をスプレーし、ゴムヘラで最終洗浄を行います。
- リリースフィルムを剥がしてからガラス貼るまでの時間を出来る限り短くすることが重要です。
※静電気などで、ガラス面及びフィルム接着面にダストが付着しやすいためです。
- フィルムの接着面をガラスにあてて、置くように貼ります。
※強く押し付けないでください。
- フィルムが水で浮いている状態にすることが肝要です。
クレセント受けがある場合には、先に、受け部分に挿入します。
- フィルム面全体を動かして、所定の位置に移動させます。
このとき、スプレーした水の量が少ないと、フィルムが動きません。
無理矢理動かすとフィルムの糊が剥がれることがあります。
フィルムが動かなくなってしてしまったら、慌てずにフィルムの上端から静かにめくり、隙間に施工液を流し込みながらロックした部分を優しくガラスから剥がします。
フィルムを固定
上端から、80mmぐらいのところから、フィルムの上側全体を、スキージーで軽く水抜きを行い、次に中央部を上から下までスキージーで一回だけ、軽く押します。
これで、フィルムがガラス面に固定されました。
次に、ゴムヘラでフィルム全体を軽く押して平均的に水を抜きます。
異物の混入点検
この時点で、ダストや髪の毛などが混入していないか入念にチェックします。
発見したら、異物を注意深く除去し、再度フィルムとガラス間にスプレーし、スキージー又はゴムヘラで押さえます。
まず初めに、フィルム表面に軽く施工液をスプレーして下さい。こうすることで、スキージが動かしやすくなります。キズ防止の為にも重要です。
基本は上から下に、及び中央から外に、スキージーでフィルムを圧着し、中の水を押し出していきます。
スキージーの幅を半分づつ、づらして使用します。
最初の水抜きはあまり力を入れずに全体的に均等に水を抜いて下さい。(青ヘラがわずかにしなる位の力加減)
スキージーを立て気味にし、角度をできるだけ変えないように、満遍なく加圧して水を押し出します。
抜いた水が、フィルム内に戻らないよう、キッチンペーパーで、水を吸い取りながらこの作業を行います。
注:薄いフィルム(60ミクロン厚フィルム等)の場合は、力の入れすぎは禁物です。皺や破れの原因となります。
サッシのクレセントは締めて作業して下さい!
薄いガラスは力を入れすぎて割らない様に!
キズの付いたガラスやヒビの入ったガラスは、施工中に割れる可能性があるので絶対に貼らないで下さい!
仕上げ
最後に、強めに水抜きを行います。
今度はフィルム表面へのスプレーは不要です。
スキージーにはフィルムを傷つけないように、ペーパーを当てます。
簡易版スキージー
ガラスを何枚も施工する場合は、
プロ用スキージーの
ご使用をお勧めします。
スキージーにどの位の力をかければ良いか?
スキージー掛けの力が弱いか不均一の場合、水玉が出ます。
右写真:弊社青へらを使用し、 200μ厚(GS175)の場合はヘルスメーターで約12Kgぐらいを目安にしてください。 60ミクロンの場合は5kgぐらいでOKです。
薄いフィルムであまり力をかけるとフィルムに皺が寄ったり、切れたりすることがあります。 注意して下さい。
水玉が出たら
1~2時間後に、残留水分が凝集して、水玉が出ることがあります。これをすぐに抜いてしまいます。
フィルムとガラスの間の水が乾燥する前なら、水玉を抜くことができます。
もう一度、フィルム表面に施工液をスプレーし、スキージーで、水玉を押し出します。
水玉が出ても、自分で補修が可能であることが、自分で貼るときの大きな利点です。
小さな、水玉や空気は、放置してください、夏場で約1ヶ月、冬場で約3ヶ月くらいで抜けていきます。
これで完成です。
目視検査
透明フィルム貼付の仕上がりは目視検査で行います。
当該検査の世界的な基準(IWFA)は:
『室内側から昼間(直射日光が当たらない)、
6フィート(1,800mm)離れて、フィルムを直角に見て、異物などが目立たないこと』となっています。ご興味のある方は、IWFA(国際ウィンドウフィルム協会)の記述をご参照ください
国際ウィンドウフィルム協会指定 ビジュアル・クオリティ・スタンダード
ウィンドウフィルムは、その”機能”を重要視しましょう。完全無欠がベストに違いありませんが、ガラスの清浄状態や空気中のダストの混入等、避け憎い要素もあることをご理解頂きたいと存じます。